カナダ人との国際結婚
国際結婚をして、相手方の外国人配偶者と一緒に、日本に住むためには、法律的な結婚をして、その上で、在留資格「日本人の配偶者等」のビザを申請することが必要です。
ビザ申請の前に、法律上の結婚をしておく必要があり、そしてこれは国際結婚ですから、お互いの国に法律上の結婚の届出を行うことになります。
この場合、どちらから先に、結婚の手続きを行うのか、つまり、日本の方から行うのか、相手方の国から行うのかを、まずは、確認する必要があります。
そして、この手続きについて、最初に結婚の届出を行う方を「創設的届出」と呼び、後で結婚の届出を行う方を「報告的届出」と呼びます。
国によっては、この「報告的届出」を認めていない、もしくは非常に手続きに手間がかかる場合があります。
日本は「創設的届出」及び「報告的届出」の両方が認められていますので、結婚の相手側外国人の国の状況によって、
先に、どちらの国に「創設的届出」を行うかを決めるのが、まずは、国際結婚の手続きの第一歩となります。
また加えて考慮する事項として、相手方外国人は、今、日本にいるのか、それとも海外にいるのかを確認することです。
このことも考慮して、先に、どちらの国に「創設的届出」を行うかを決める必要があります。
ここでは、カナダ人と、日本人との結婚の場合を紹介します。
カナダの場合、手続きはどちらからでも可能です。
もっとも、日本から先に手続きを行った場合、カナダに対しての手続き、つまり、婚姻の報告的届出は不要となっています。カナダは、外国で合法的に行われた婚姻は、カナダでも有効な婚姻として認めているため、別途、カナダへの報告はしなくてよいとなっています。
よって、カナダ人が、日本の在留している場合は、日本から手続きを行ったほうが、手間がかからないといえます。
【先に日本から、結婚手続きを行う場合】
1 口述宣誓書(affidavit)の取得
まずは、日本の役所での、婚姻手続きに必要な、相手方外国人の書類から集めます。
一般的には、相手方外国人の在日大使館(領事館)に「婚姻要件具備証明書」を請求します。
しかし、在日カナダ大使館(領事館)では、この「婚姻要件具備証明書」の取り扱いは、行っていません。
その代わりに、「口述宣誓書(affidavit)」が取得できます。
これは、その文書名の通り、口述で、宣誓を行いますので、当事者二人が、直接、在日カナダ大使館(領事館)に出向く必要があります。
カナダの公館は、東京に大使館、名古屋に領事館があります。また、札幌、大阪、広島、福岡には、名誉領事館がありますが、あくまで名誉領事館ですので、通常の大使館(領事館)業務を行っていない場合があります。
国際結婚の、「口述宣誓書(affidavit)」の対応が可能かを、連絡して確認してください。
在日カナダ大使館(領事館)に、日時の約束の連絡をした後は、実際に二人で出向きます
大使館(領事館)の担当者の面前で、宣誓し、必要書類に署名をすれば、それで手続きは、完了となります。
その際、日本語訳にしたものも、通常は、一緒にくれるようですので、必ずもらっておいてください。
その後の手続きで必要です。
2 日本の役所で、婚姻手続きを行う
次に、日本の役所で、婚姻手続きを行います。
必要な書類は
・戸籍謄本
・口述宣誓書(affidavit)
・口述宣誓書(affidavit)の日本語訳(あれば、カナダ大使館でもらったもの)
・二人のパスポート
が一般的なものとなります。
もっとも、今回は、「婚姻要件具備証明書」を提出していませんので、役所によっては、
・申述書
というものを記入する必要がある場合があります。
また、カナダ人本人の
・出生証明書(日本語の翻訳が必要)
が必要と言われる場合があります。
日本での手続きが終了したら、
・婚姻届受理証明書と、
・戸籍謄本(カナダ人の名前の入ったもの)を申請しておきます。
日本の入国管理局に、在留資格の申請をする場合、これが、結婚証明書の代わりになります。
なお、カナダ人の結婚証明書があないので、申請の際には、カナダ政府が日本の婚姻を、カナダでも有効と認めている証拠として、カナダ政府のWebページも、日本語に訳したバージョンのものと一緒につけて、提出します。